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大磯 の 鴫立庵(しぎたつあん)

昨日は天気も良かったので、日中は気温も上がって再び春らしい日となった。見沼
田んぼの東縁ヘルシーロードではさくらの花びらが雪のように舞い散っていた。

代用水は さくらの花びらを一面に浮かべて流れ、道は 降る花びらで文字通りの「花
道」となっている。

さくらの代用水  花道

芽吹きの木々の葉が、やわらかに 花にも負けぬ色合いをみせて青空に映える。その
空から ひばり のさえずりが聞こえてきた。のどかな、とても快い一日だった。

それに比べて 今日の冷たい雨は、一挙に季節を逆戻りさせたかのようだ。気象予報
によると、明日はさらに気温が下がって、雪や霙の降るところまであるという。


 丁度一週間前に訪れた大磯あたりも あの時のさくらがほとんど散って、冷たい雨が
降っているのだろうか。



   鴫立庵 (2)

湘南にあるこの「鴫立庵(しぎたつあん)」は、日本三大俳諧道場の一つ。この草庵が
「鴫立庵」と名付けられたのは 西行の歌 によるとある。

江戸時代 寛文4年(1664) 崇雪がこの地に五智如来像を運んで 西行寺を作る目的
で草庵を結んだのが始まりと伝わるからだ。

   西行歌碑

   心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ
 (出家の身で、ものに心を動かされることのない私のような者にもしみじみとした
  情趣は おのずから知られることだ。鴫の飛び立つ沢の秋の夕暮れには。)

この歌は、西行法師がこのあたりを遊行した時に詠じたものだ との言い伝えが古く
からあったという。


   地図

 大磯駅 横にある看板に 鴫立川を見つけた。「沢」という風景は
海岸より むしろ山間の比較的小さな谷川ではないかと常々考えていたので、この歌
が詠まれたのは湘南の海岸あたりではなくて、この地図にある鴫立川の少し上流で
はなかったかと思ってしまった。

もし、この地図にある鴫立川が西行が通った鎌倉時代からの名であったとしたらでは
あるけれど。いまでは 鴫立庵の建つ一帯、湘南海岸沿いは素敵な明るい場所で、
寂しさとは程遠い。

華やかな春という季節に 咲き誇る さくらが、西行のしみじみとした秋の寂しさを詠ん
だ名歌を、一時遠ざけていたのかも知れない。



   鴫立庵
    駅近くのこのcooffee bar の名も「鴫立庵」 (思いっきり洋風なのに)

   ケーキ
   昼間は洋菓子が並ぶ、 でも、表には「歴史街道」の標示があってこの店名。
   
          三夕の歌

   店内には、秋の夕暮れの寂しさを詠む名家、三夕(さんせき)の和歌があった。
   
  西行法師の他は以下の二首
  ・寂しさはその色としもなかりけり槇立つ山の秋の夕暮れ  寂連法師
  ・見わたせば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ 藤原定家




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プロフィール

Keiko

Author:Keiko
写真:【 唱歌:「案山子」の立つ見沼氷川公園】

こんにちは! 日本古典文学
研究に従事しているものです。
子育てがほぼ終了という頃に
大学院に入学、現在は 古典
文学講座の講師をしています。

こちらには 自然と文化と歴史
を感じながら‘知るを楽しむ’
日常を記しています。         
     

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