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映画 「かぐや姫の物語」

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 アニメーション映画・スタジオジブリ「かぐや姫の物語」を見てきました。

昔、子供向け絵本の定番だった「かぐや姫」、「もも太郎」とか「かちかち山」
などと同じ昔話として見た(読んだ)記憶があります。今でも絵本ではあのような
感じの絵のままなでしょうか。もっと可愛いアニメ風の絵本になっているかもしれ
ません。

映画の紹介記事の中に「原作に忠実につくろうとしている」と書かれているのを
見つけたのが動機でした。原作『竹取物語』は、『源氏物語』にも「 物語のいで
き初めの祖(おや)」と書かれているように、現存する日本の古典作品の中でも最
古であろうと言われる物語文学です。

なので、自ずとストーリーや場面を原作『竹取物語』と比較検討している自分が
いて、映画の世界に感情移入出来なかったのは失敗というか、残念なことでした。

それでも、原作にはない、たけのこ(かぐや姫の幼少期名)と捨丸兄ちゃんとの淡い
恋物語が活きているなぁと感じ、かぐや姫像に新たな命を与えているようにさえ思い
ました。

また、主題歌<いのちの記憶>や、<天女の歌>など、いつかどこかで聞いたこと
のあるような共通な世界に誘い込む力を持つ歌詞とメロディで、深く心に残りました。


映画の中のことで、知りたいと思ったことがありました。まずは、歌のことです。

歌詞に -待つとしきかば今帰りこむ- という言葉があったのですが、これは、

立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰りこむ (在原行平)

の和歌、下の句から摂っているのでしょうか。「本歌取り」の手法ならば面白いですね。

次に、かぐや姫が月に帰る場面です。天女の迎えの様子が、極楽浄土から死者
の魂を迎えにくる、「阿弥陀、観音来迎図」になってしまっているところです。

あれは、かぐや姫がこの世で罪を償うことによって極楽に往生することが出来た
ことを意味しているのでしょうか。

確かに月の世界は異界、悩みも、死もない世界とは言いますけれど。


などと、映画鑑賞しながら<ひとりごと>ならぬ、<ひとり考え>にはまってし
まってはいましたけれど、全体として「かぐや姫の物語」は笑いもあり涙を誘う
場面もあって、生きることの喜びと命ある者の悲しみを同時に呼び起こすような
映画でした。

当日の観客は多くなかったのですけれど、映画が終わっても席を立つ人はなく、
暗い中、エンディングと共にすすり泣く声さえ聞こえていました。


   竹取物語表紙

         本『竹取物語』 文・江國香織 新潮社 2008年発行 

 (日本古典集成・日本古典文学体系の「竹取物語」に基づいて書かれている。)





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プロフィール

Keiko

Author:Keiko
写真:【 唱歌:「案山子」の立つ見沼氷川公園】

こんにちは! 日本古典文学
研究に従事しているものです。
子育てがほぼ終了という頃に
大学院に入学、現在は 古典
文学講座の講師をしています。

こちらには 自然と文化と歴史
を感じながら‘知るを楽しむ’
日常を記しています。         
     

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