にほんブログ村 本ブログ 古典文学へ
にほんブログ村

 富士山 世界遺産へ

世界遺産への登録の可否を調査する「国際記念物遺跡会議」(イコモス)は、日本が推薦した
「富士山」を「三保松原を除き登録」、「鎌倉」を「不登録」とするよう、ユネスコに勧告した。

   今年6月の第37回ユネスコ世界遺産委員会で、正式に決定される見通し
                               (2013年5月1日・今日のニュースから)


     富士山



田子の浦に うち出でて見れば 白妙の
                富士の高嶺に 雪はふりつつ

                            山部赤人(やまべのあかひと)

 
     (田子の浦に 出て見渡してみると、真っ白な 富士山が 見えて、
                     高い峰には 今も 雪が 降り続いて いることだよ。
)


百人一首」の中にある この歌は[『新古今集』冬(六七五)]から採られています。 




この歌の、原歌は『万葉集』に あり、

山部の宿禰赤人(すくねあかひと)の不尽(ふじ)の山を望める歌」 として載る

              長歌と反歌のうちの反歌です。

田子の浦 うちいでてみれば 真白にそ 富士の高ねに 雪は降りける>   

百人一首」(『新古今和歌集』)と、『万葉集』との歌の違いは、この赤い文字の部分。 

」は「そこを通って」という意味なので、田子の浦を通って見晴らしの良いところ
から眺めてみると、「雪が降り積もった」「真っ白な」富士山の荘厳な佇まいが目に映
ったというもの。雄大な富士の姿にたいする感動がまっすぐに伝わってくるようです。

田子の浦からは、実際 富士の頂上に雪が降り続いている情景を見ることが出来な
いにもかかわらず、歌枕のイメージでとらえ、結びを「雪はふりつつ」と変えるこ
とで、実際には見ることのできない「しんしんと降り続く 富士山頂の雪の幻想的
情景」を浮かび上がらせた。
一部を変えて、やわらかな表現によって優美な富士の姿が歌いあげられています。


「あなたは、万葉派 それとも 新古今派 ?」

それぞれ好みはあるようですが、どちらも富士山の魅力と感動を伝えていること
に違いはありません。

富士山が世界遺産として認められることにより、今後もその魅力を損なうことの
ないよう、未来へと伝えていきたいものです。




コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

Keiko

Author:Keiko
写真:【 唱歌:「案山子」の立つ見沼氷川公園】

こんにちは! 日本古典文学
研究に従事しているものです。
子育てがほぼ終了という頃に
大学院に入学、現在は 古典
文学講座の講師をしています。

こちらには 自然と文化と歴史
を感じながら‘知るを楽しむ’
日常を記しています。         
     

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
私へのメールはこちらから

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
カテゴリ
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
日本ブログ村 ランキング
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR