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『花 筺(はながたみ) ー 日本さくら草

埼玉県西部を訪ねた際に、日本さくら草 が売られているのに目がとまりました。


     花集合


   紅   桃色



「日本さくら草」と一括りにされず、その種類ごとに名前が書かれています。薔薇も
そうなのですが、それぞれに付けられた名前の由来も気になるところです。




天皇に愛された女の物語 ―『とはずがたり』と鎌倉時代-  講座 レポートから
                          

 花 筺(はながたみ)

知人から日本桜草の株を数種いただき2年程前から栽培を始めました。花後の管理
がけっこう難しく1年目は思うように花が咲きませんでした。

来春こそはたくさん美しい花を観賞できるように冬越しの準備をしています。

愛好家も多く「日本さくら草の会」というのがあり 会員が作品を持ち寄って、毎年
展示発表会を開催しています。今年四月さっそく 観に行きました。

丹精こめられた作品が数百鉢? 勢揃い。白・紅色の濃淡・淡紫色など淑(しと)やか
な花立ち姿は清楚で気品があり 日本古来の優雅さを感じました。


種類ごとに付けられた名前がやはり古風です。「小桜源氏」「御代の誉」「春裳」
「汐煙」「旭の袂」「神代冠」等々。そして、私の最も好きなネーミングが『花筺』
趣があり字作りも素敵だと思います。どのような人が、どのような経緯で名付けたの
かしら ちょっと気になっていました。

そんな折り、偶然にも謡曲集のなかに 世阿弥作『花筺』を見つけました。内容は、

越前の国 味真野で 男大迹王(おおどおう)の皇子大迹辺(おおあとべ)に 寵愛され
ていた照日の前(てるひのまえ)は 継体天皇となった皇子を慕って狂乱状態となり
大和の国の玉穂の都へと急ぎます。

形見の花筺と狂乱するまでに激しかった彼女のひたむきな慕情とが、その恋を成就
させ、めでたく彼女は女御(にょうご)となった というものです。

舞台は、里下がりをしていた照日の前のところへ皇子から手紙と花籠が届けられる
ところから始まります。その思い出の花籠こそが 恋する人の形見=『花筺』という

そして、その時着ていたのが「忍の摺衣(すりごろも)」で、

忍もぢずり誰ゆゑに 乱れそめにし・・・」が引用されているのも興味深いところ
です。

はながたみ(花筺) めならぶ人の あまたあれば 忘られぬらん 数ならぬ身は
                            <古今和歌集・恋5>
花かごの目のようにあの人には 見比べる人が大勢いるので 忘れられてしまって
                     いるのだろう、物の数でもない私は
) 


さくら草『花筺(はながたみ)』の名付け親?が、もしも古典に精通した方だとしたら

大拍手です。

                     ( Kyo.紫 Hasizume さん)



※この和歌にある“数ならぬ身”という文言は『とはずがたり』の文中にもよく使わ
 れています。 
 なお、「とはずがたり」公開講座 の現代語訳は、4月から再び「新しい順」 に
 並び換えしています。  ここ(← クリックで)からもご覧いただけます。

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Keiko

Author:Keiko
写真:【 唱歌:「案山子」の立つ見沼氷川公園】

こんにちは! 日本古典文学
研究に従事しているものです。
子育てがほぼ終了という頃に
大学院に入学、現在は 古典
文学講座の講師をしています。

こちらには 自然と文化と歴史
を感じながら‘知るを楽しむ’
日常を記しています。         
     

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