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古典小話 -こしきぶのないし(小式部内侍) のこと-

      天の橋立
         写真・『百人一首ハンドブック』(小学館)より


平安中期の歌人で小式部(こしきぶ)と呼ばれた女性がいました。
彼女の母親は、超有名歌人 和泉式部(いずみしきぶ)です

和泉式部 恋多き女性でも知られていますが、ここでは歌才に長けて 名が知られて
いたという点が重要。とにかく有能な親、有名人を親に持つ子供はプレッシャーで
大変なもの、いつの世も変わらなかったようですね。



母である和泉式部が、再婚した夫〔藤原保昌〕の妻として丹後の国に下ったときの
ことです。


都で歌合(うたあわせ)がありまして、娘である小式部内侍(こしきぶのないし)が、
歌合のよみ手として選ばれました。


「歌合」-公の場で和歌を詠んで優劣を競うのですから、スポーツでいえば競技大会
の選手に選ばれたようなものかな。




同じく歌人であった〔藤原定頼〕という人が、小式部(こしきぶ)をからかって、

丹後へおやりになったという 使い は戻って参ったのですか。母上の助けがなく
 ては歌をつくるのに さぞお困りでしょう


と小式部内侍(こしきぶのないし)の局(つぼね)に向かって声をかけたのです。


すると、


小式部は、御簾のうちから局の前を通り過ぎようとする定頼の袖を引き止めて、


大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立 
(大江山へは、生野という所を通って行きますが、丹後への道のりは遠いので、私は
まだ天の橋立を訪れたことはございませんし、まだ丹後からの便りもございません
)
                        <「小倉百人一首」60>

と歌を詠みかけたのでした。


定頼は思いがけないことで あきれ おどろいて、

これは いったい どういうことだ!

とだけ言って、当然の作法である返歌にも至らず、引き止められた袖を振りきって
その場を お逃げになってしまいました。



小式部は、このことによって 歌人としての世の評判も高くなったということです。
        
         【鎌倉時代の文学作品『古今著聞集(ここんちょもんじゅう)』から】


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Keiko

Author:Keiko
写真:【 唱歌:「案山子」の立つ見沼氷川公園】

こんにちは! 日本古典文学
研究に従事しているものです。
子育てがほぼ終了という頃に
大学院に入学、現在は 古典
文学講座の講師をしています。

こちらには 自然と文化と歴史
を感じながら‘知るを楽しむ’
日常を記しています。         
     

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