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檀(まゆみ) の 木 が・・・

庭木のマユミが突然枯れてしまいました。連日の暑さのせいでしょうか。

     枯れの木

葉を広げるので、庭らしい広さもないこんな所には向かない木なのですが、あの歌に
名のある「ま弓」と知って、どうしても欲しかったのです。

季節ごとに剪定し、広がらないように育てて丁度10年になりました。


あづさ弓 ま弓つき弓 年を経て わがせしがごと うるはしみせよ
(あずさゆみ・まゆみ つきゆみ・としをへて・わがせしがごと・うるわしみせよ)
                            (『伊勢物語』二十四 梓弓)

この歌の中の「まゆみ」の木の名は、上の2句の「あづさ弓 ま弓 つき弓」の真ん中に
ありまして、「年」にかかる序詞(じょことば)として詠まれているに過ぎません。

が、この歌は声を出して読むと「ゆみ」の重なりがリズムになって語調もよく、
それにこの歌には夫からの元妻への思いやりが感じられて、「この歌いいなぁ」
と 私は思うのです。


昔、田舎に住んでいた男が、宮中勤めをしに行くといって、女と別れを惜しみ
出掛けたまま、3年たっても帰ってきませんでした。

女は待ちくたびれて、とても心をこめて求愛してきた人の求婚を受け入れること
にしました。(当時の令によると、子供のいない夫妻の場合、3年間 何の音沙汰
のない場合は離婚が成立した。)

ところが、結婚の夜に、元彼が帰ってきたのです。「この戸を開けてください」
とたたく男に、女はこのような歌で答えました。

あらたまの としの三年(みとせ)を 待ちわびて ただ今宵こそ 新枕(にいまくら)すれ
(三年のあいだあなたを待ち続け、待ちくたびれて、私はたった今新枕を交わすところなのです。)

女の歌で事情を知った男は「あずさ弓ま弓つき弓・・・」の歌で返事をしてそこを
立ち去ろうとしたというもの。
(年を重ねて私があなたを愛したように、今度は新しい夫に親しんでくださいよ)
と。 

遠く離れて、何の連絡手段もなかった時代の悲劇。

女はひどく悲しんで、去って行ってしまった男を、あとから追って行きました。

追って行っても、追いつけず、とうとう清水が湧いている所に倒れ伏してしまいま
した。そこの岩に指の血で歌を書き残して、女は死んでしまったということです。





この「檀(まゆみ)」の木が「見沼自然公園」にもあって、すくすく育ってました。

     みの木


白い花が咲いていますが、

     み の花


やがて、秋にはこんな赤い実になるのですけれど・・・・

     赤花





     枯れ 花

我が家の「まゆみ」は、枝を払って幹の負担を軽くしてみました。このまま死んでしま
わないよう祈って、復活を待ちたいものです。
                        
                              










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プロフィール

Keiko

Author:Keiko
写真:【 唱歌:「案山子」の立つ見沼氷川公園】

こんにちは! 日本古典文学
研究に従事しているものです。
子育てがほぼ終了という頃に
大学院に入学、現在は 古典
文学講座の講師をしています。

こちらには 自然と文化と歴史
を感じながら‘知るを楽しむ’
日常を記しています。         
     

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