にほんブログ村 本ブログ 古典文学へ
にほんブログ村

** さるとり茨 **

獨協大学オープンカレッジ 講座

天皇に愛された女の物語日記文学「とはずがたり」と鎌倉時代ー」

「古典文学の中に サルトリイバラ の名を見たのは初めて」
「この場面ではサルトリイバラの描写が妙に際立っている」との指摘がありました。


とはずがたり』の「恋の通い路」の場面です。

四条大宮にある乳母の家に滞在中の二条のもとへ、「雪の曙」が通おうというので、
その「使いの者」が昼間の明るいうちに、ここへ下見に来ています。

屋敷を囲んでいる築地(土塀)が、ひどく崩れて人が出入りできるようになっている
所に、さるとり茨を植えてあったので、この使いが茨の根元を刀で切って行きました。



サルトリイバラ って、猿がひっかかる茨と いう名で知られているのだそうです。

「蔓草の総称としての八重葎とか、おどろ(棘・荊棘・藪)とあるのが多い中で、作者
は、この奇妙な名前に惹かれて、サルトリイバラの名を記したのか」とも。



確かに、ひっかかります? ン? よね、この さるとり茨


     さるとりいばら

日本全国の山地に分布する、つる性の落葉低木です。茎は節ごとに折れ曲がり、長い
ひげを出して、近くのものに絡みます。

猿がトゲだらけのつるに絡まって、とらえられるほど密生することに由来する名です。


     赤い実

10~11月に、果実が赤く熟して枝先を飾り、生け花や茶花としてよく利用されます。


うん? 『とはずがたり』のこの場面、旧暦の10月10日のことです

とすれば、この さるとり茨 、こんな赤い実がいっぱいついていたのかな。



『伊勢物語』の五段 関守 を踏まえて、

人しれぬ わが通ひ路の 関守は よひよひごとに うちも寝ななむ
の歌も引いて書かれる『とはずがたり』のこの「恋の通い路」の場面、ますます
物語的な構成になっていると思われますね。



※この場面のストーリーは、『とはずがたり』公開講座 をご覧いただければ お分かり
いただけます。<二一 乳母の家で逢瀬>(←ここからお入り下さい)








コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

この低木

さるとり茨というのですね。
時々見掛けるものの、何だろうと思いつつ、
植物に関しての思考はそこ止まりなので…
大変勉強になりました(笑)。

Re: この低木

確かに、これを生垣に仕立てたら防犯効果大ですよね。
でも、「垣間見しよう」なんてうっかり身体を寄せたら
血だらけ?(笑)
プロフィール

Keiko

Author:Keiko
写真:【 唱歌:「案山子」の立つ見沼氷川公園】

こんにちは! 日本古典文学
研究に従事しているものです。
子育てがほぼ終了という頃に
大学院に入学、現在は 古典
文学講座の講師をしています。

こちらには 自然と文化と歴史
を感じながら‘知るを楽しむ’
日常を記しています。         
     

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
私へのメールはこちらから

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
カテゴリ
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
日本ブログ村 ランキング
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR