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ヨシ と アシと

梅雨時です 晴れた日には‘夏日’の気温、それでもこれからやってくる本格的
夏日を思えば、まだまだ格段に過ごしやすい毎日です。

今は、まだ朝晩の涼しさがあることからして全く違いますから。


これからやってくる本格的な夏日に供えて、節電と同時進行の、暑さ対策グッズに
葦簀(ヨシズ)」があります。


ホームセンターの全面に並べられている葦簀、高さが3メートル程ある大きなもの、
小振りなものも並んでいて、今年は大変売れ行きが良いとのことです。



よしず’の材料はイネ科の多年草植物の「葦(ヨシ)」、水辺や沼地などの湿地帯で
大群落をつくります。

     5月の葦原


ヨシともアシとも読む「」の字、他にもなど 幾つかの表記があって、さて
ここではどう読むのかなと迷うことありませんか。


     P6050007.jpg
     ヨシ アシ ??       良し 悪し??


ことわざ「葦の随から天井のぞく」はヨシですが、和歌に詠まれているのはアシ・・・。


百人一首」19番の歌

難波潟 みじかきあしの ふしの間も あはでこの世を すぐしてよとや
(難波潟の入り江に生えているアシの、節と節との間のように、ほんの短い間も会わ
 ないで、 一生を過ごしてしまえとおっしゃるのでしょうか。)

平安時代の女性歌人「伊勢」の歌。「あしの節の間(ま)」は、短いことを表す言葉。



三島江に つのぐみわたる あしの根の ひとよのほどに 春めきにけり
(大阪の三島江一面に生えている、アシの「一節」のように、たった一夜の短い間に
春めいたことです。)      曾禰好忠(そねのよしただ)『後拾遺和歌集』


どちらの歌もアシという植物の、節と節の間は短いという認識です。



本当にそう?なにを基準にしているのでしょうね。

よしずの材料



山国育ちの私は、葦原なるものを見ることなく育ったせいでしょか、葦のイメージ

どうもピンとこなくて、しかも、アシとヨシは同じものだということを知ったのは

ず~と後のことでした。


人間は考える葦(アシ)である」これだけを聞くと、アシのイメージって群を抜いて
賢い様相と思えるのですけれど・・・、

     考える葦?

あのPascal の名言は、

Man is no more than a reed, the weakest in nature. But he is a thinking reed.
人間は自然界の中でもっとも弱い葦にすぎない。だが、考える葦である。

アシは弱い植物ってこと、でも「考える」ことが出来るのが人間の力。


ヨシとアシの話に戻りましょう。「ヨシ」という名は「アシ」が「悪し」に通じることからそれを、
逆の意味の「良し」と言い替えたのが定着したものでした。、関東では「アシ」、
関西では「ヨシ」が一般的なのだそうです。アシは「忌み言葉」ということから
ヨシとしたのですね。


ところで、和歌は京の都に住む貴族の作、関西のはずですよね。ということは
「忌む言葉」としてヨシと呼び替えられたのは、もう少し後の時代だということ
でしょうか。

葦簀に戻りまして、こんな説明がありましたので付け足しです。

「まっすぐに伸びる茎は木化し、竹ほどではないにせよ材として活用できる。古く
 から様々な形で利用され、親しまれた。日本では稲刈りの後に 芦刈(あしかり)
 が行われ、各地の風物詩となっていた。軽くて丈夫な棒としてさまざまに用いられ、
 特に葦の茎で作ったすだれは葦簀(よしず)と呼ばれる」・・・そうです。


<蛇足>

万葉の時代にはアシが国中に繁茂していたとか、アシを詠んだ歌はたくさんあります。




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ヨシとアシ

先日、万城目学の新作「偉大なるしゅららぼん」を読んでいましたら、ヨシとアシの違いが出てきました。 琵琶湖を舞台にした小説です。 ヨシかアシか、どちらかの茎の中身は詰まっていて、他方はストローのように中空なんだと書いてありました。 どちらがどちらだったか忘れましたが、たぶんヨシのほうが中身が詰まっているんだったような。 本当かどうかわかりません。 アシは「悪し」に通ずるから「良し」に変えたというほうが、絶対説得力ががありますね。

Re: ヨシとアシ

辞書的説明によれば「良し」「悪し」で呼び替えて二種の呼び方が生まれた
ようです。でも、その後それぞれの地域により呼び分けが生まれたというか、
識別されていた可能性ってありそうですよね。
「中身が詰まっているか、ストローのようになっているかの違い」って分か
りやすくって面白い!「よしず」とか「葦原」の「あし」とか、実際に確かめて
みることにします。情報 ありがとう。

プロフィール

Keiko

Author:Keiko
写真:【 唱歌:「案山子」の立つ見沼氷川公園】

こんにちは! 日本古典文学
研究に従事しているものです。
子育てがほぼ終了という頃に
大学院に入学、現在は 古典
文学講座の講師をしています。

こちらには 自然と文化と歴史
を感じながら‘知るを楽しむ’
日常を記しています。         
     

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