ー 今年の干支 -
今日は もう1月 の晦日、旧暦ですと睦月4日 早いものです。
今年は干支丁酉(ひのととり)で、 <酉のちぎり絵> を頂きました。
そこに、こんなお話が書かれていましたよ。
時計の無かった時代、その鳴き声で夜明けを告げる鶏は尊ばれ、
故事や詩にもよく詠じられてきました。
そうなんですよね。 天の岩屋戸に隠れてしまった天照大神
あの お方を呼び出したのは、常世長鳴鳥(とこよのながなきどり)
鶏 でした。
「闇夜のはずなのに鶏が鳴いてるわ。 えっ 朝が来たの?」ってね。
<古事記>
そして、中国の故事 <史記> にも こんなお話があります。
戦国時代、斉の孟嘗君(もうしょうくん)が秦国に使いをしたとき、とらえ
られ殺されそうになりました。奇策を用いて逃げ出し、函谷関(かんこく
かん)に着きました。
この関は一番鶏が鳴くと開くので、家来の中の鳴きまねのうまい者が、
鶏の鳴き真似をして、無事孟嘗君は関所を通り抜けることができました。
<「百人一首」 62番>
清少納言の和歌は、この「鶏の鳴き真似」話 が下敷きになって詠み交
わされたものなのです。 相手の男性は藤原行成 (『枕草子』に詳しい)
夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ
<ヨオコメテ トリノソラネワハカルトモ ヨニオオサカノ セキワユルサジ>
清少納言
(まだ夜が明けないうちに鶏の鳴く声をまねて、門をあけさせよう
とおだましなさっても、決して逢坂の関守はだまされて開けたりは
しませんよ。 (だまして開けさせようとなさっても決してあなたの
言葉にはのったりしませんよ。))
まだまだ夜は深いのに 朝告げ鳥の声がして
それを合図に 開いた門
いえいえ そら音 うその声
たとえ 函谷関がひらくとも
わたしは開けたりしない 逢坂の関所