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「ながむ 」は、「眺む 」と 「長雨」の 掛詞(かけことば)


未明から降り出した雨が今日は一日中降り続いた。
強くたたき付けるようだったり、
上がったかと思うほどの小糠雨になったり、
それでも雨は止むことなくいつまでも続いた。


梅雨時の雨は、時節の花(紫陽花)を色艶やかにする。



  あじさい1

  あじさい2



一方で、春の花(桜)の時期に折悪しく降る雨がある。
春の長雨は、花の色を褪せさせて、
人の心を曇らせることもある。


今日の講座で読んだ歌「百人一首」9番 は、
才色兼備の歌人小野小町の歌。

花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせし間に
<ハナノイロワ ウツリニケリナ イタズラニ ワガミヨニフル ナガメセシマニ>                      


この歌、さっと表面を読み過ごしたなら、

「眺めて過ごしているうちに時は過ぎて、桜の花も、
私の容色も色あせてしまったことだわ」

と受け取られそう。


ところが、五句目の 「ながめせしまに」 の 「ながめ
に掛詞を見て取って鑑賞すると次のような状況が浮か
び上がるのだ。

桜の花の色つやはすっかり衰えてしまったこと。春の
長雨が降るのを眺めていろいろ物思いにふけっていた
間に私の容色もまたはかなく衰えてしまったわ。




古語「眺む」には「(恋の)物思いにふける」という意味が
あることにも注意したい。



  たちあおい



 三 笠 の 山

  現代では海外に留学するひとが多くいます。
  では、ずーっと昔はどうだったかといいますと、

  勿論少ないんですが、 ちゃんといたんですよね。

「百人一首」 7 に採られている和歌の作者もその一人。


天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも
                     安倍仲麿(あべのなかまろ)

大空を仰ぎみると、(この異国の空に)月が美しく照り輝い
 ている。この月は日本の春日にある三笠の山に出ていた
  のと同じ月なのだなあ。


安(阿)倍仲麿も、奈良時代 唐(とう)へ渡った留学生でした。

 唐での 長い歳月の後、帰国の途につくことになり、
 送別の宴の席で詠んだものと伝えられています。


三笠の山」は、奈良市春日大社の後ろにある春日山の
一峰で、御蓋山(みかさやま)とも書く神山のこと。



    御蓋山遙拝所 (480x640)

     春日大社の、御蓋山遙拝所。
   「みかさやま」は視界に入りませんが・・


   御蓋山
         
写真はWikipedia からお借りしています。




当時、遣唐使が出発するときには、春日山のふもとで無事を
           祈ったといいます。

帰国を前にして、あの故郷の月が思い浮かび望郷の念を掻き
         立てていたことでしょう。



さて、その「三笠の山」を自分の目で確認してきたいという思い
をもって行った昨年の奈良旅行でしたが、

上記の春日大社遙拝所から伺って見てはみたものの、その
全容は分からずじまいでした。


観光タクシーの運転手(ガイド)さんに「三笠の山は?」と尋ねた
ところ、「これも三笠山といいますよ」と指してくれたのは、

  若草山 (640x427)
         「若草山」です。 

         確かに山の形がのようですね。

    
        そして、紹介されたお菓子が「三笠


     三笠 どら焼き (480x640)

          大きな「どら焼き」です。
     左に置いた携帯と比較して見て下さい。

   (まるで若草山のような、なだらかな曲線)


  お菓子の「三笠山」は、どうも「若草山」の形を模して
      いるのだと。納得できました。


<蛇足>

    夏が近づいて、家人の編み物は・・

日よけの「」ならぬ「帽子」 になっています  (#^.^#)


    帽子1号 (480x640)
   
 帽子を編むのは初めて。それにしては結構な出来映えでしたが、

      大きすぎなので、大人用(笑)


  帽子 (640x505)

 孫のために再挑戦。 お揃いの帽子になりました。 \(^o^)/



歌枕(うたまくら) - 田子の浦 -

百人一首」 4 の歌では

田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪はふりつつ
                        山部赤人(やまべのあかひと)
 (田子の浦に出て見渡してみると、真っ白な富士の高い峰には、
        今も雪が降り続いていることだよ


『新古今集』冬(六七五) からとられており、『万葉集』にある同じ歌
とは一部が異なっていますが、

この地「田子の浦」は古くから和歌に詠まれてきた名所の1つです。

静岡県富士市南部の海浜。古くは富士川西岸、蒲原・由比・興津
の海岸を「田子の浦」といったようです。

富士山が美しく眺められる「田子の浦」とは一体どのあたりを言った
のだろうと、地図を辿っていると、

現代には「田子の浦 海浜公園」なるものがあると分かって、それな
ばと訪ねてみました。 昨年(2017年 9月19日)のことです。


    田子の浦公園1 (427x640)

   富士山に雪の降る前で、「白妙の 富士山」とは

          いきませんが・・・


   公園の碑 (418x640)

    『万葉集』にある和歌が書かれていて、

      歌の舞台がよくわかりました。


   今の「田子の浦」と「富士山」は、こんな感じでした。↓


田子の浦からの富士山 (640x411)


田子の浦の釣り人 (640x399)

   ↑ 下に小さく「釣り人」が四人映っていますねえ。

          夕方の5時近くです。



この頃(昨年の9月中旬)には、飼っていたスズムシが
共食いをして、すべてが・・・ いなくなっていたのでした。


  ところが、ちゃんと卵を残していました!!

       春に孵化して、すこしずつ

        大きくなっているよう・・
        

        今日の スズムシ ↓


   箱のスズムシ (640x480)

  土の色に溶け込んで、見えないスズムシですが、

  ヒゲだけが むにゃむにゃといっぱい動いています。

 スズムシ (640x479)

         ほら、飛び出してきた元気な子。

         体長は5ミリくらいかな o(^▽^)o


歌枕 を 訪ねて - 下野国 室の八嶋(むろのやしま) ー


大神神社(おおみわじんじゃ)  栃木県栃木市惣社町477 

          へ、行ってきました。


北の鳥居 (640x427)

17年前に訪ねて、歌枕「室の八嶋(むろのやしま)」を確認した
神社です。

その後、8年前に再度訪ねた時には場所を見つけることができ
なかった おおみわ神社です。


大神神社本殿 (640x427)

本殿も境内も きれいに整えられていて驚きました。

17年前を思い出してみると、見違えるようでした。




        けぶりたつ室の八嶋 と、

    歌枕(うたまくら) として和歌に詠まれてきたのは

下野惣社(しもつけそうじゃ) 室の八嶋明神  です。


下野惣社・室の八嶋明神 (640x427)

小さな赤い鳥居をくぐり、池にある小島を巡って参拝します。



なぜ、大神神社の中に 八嶋明神が祀られているのでしょうか。

  大神神社(おおみわじんじゃ)は、今から1800年前、大和の
大三輪(おおみわ)の分霊を奉祀し創立したと伝えられています。

    祭神は大物主命(おおものぬしのみこと)です。



 ここは、けぶりたつ「室の八嶋(むろのやしま)」と呼ばれて、
平安時代以来東国の歌枕として都まで聞こえた名所でした。


 当社の近くに下野国(しもつけのくに)の国府跡があります。

  平安時代、都からやってきた国府役人の長官によって
この大神神社の地に下野の国中の神々が勧請され祀られたのが

    下野惣社明神 = 室の八嶋明神 だったのです。


この地は、さらに昔から煙(けぶり)の名所と詠まれた東国の歌枕が

    ここで、「室の八嶋」と結びついて国司、国府役人として
   都から赴任してきた貴族により 和歌に詠まれたことでしょう。




いかでかはおもひありともしらすべきむろのやしまのけぶりならでは
                                藤原実方(さねかた)


くるる夜は衛士のたく火をそれと見よむろのやしまも宮こならねば
                                藤原定家


ながぶればさびしくもあるか煙たつ室の八嶋の雪の下もえ
                                源 実朝





茅の輪つくり (640x427)

6月も間近です。 氏子の方が 茅の輪 をつくっておられました。


輪出来上がります。 (640x427)

      出来上がりが近づいてきました。 


       写真 (529x640)


  このように本殿の前に下げるのだと、昨年の写真  o(^▽^)o


夏 来にけらし・・


ジュンベリー1 (640x480)


  5月の半ばには、もうジュンベリーが沢山実をつけた!

  実が赤くなるにつれて、木の周辺が騒がしくなってくる。


      ジュンベリー2 (480x640)



      お隣の若奥さんが、回覧板を手にやってきて

 「今朝もね、大っきな鳥が中に潜っていて 飛び立って行ったわ
            アレって、カラス?」

 
 「えっ まさかカラスまで? いや多分ムクドリとヒヨドリだと思うわ」
             と答えたけれど、


        あんなに沢山成っていた実も、

    1週間後には、何もかも綺麗に無くなって、

  濃い緑色をした ただの樹に変わってしまいました。


      キョウカノコ (480x640)

         脇に咲くキョウカノコの花も、

     6月を待たずに咲き終わるかも(๑˃̵ᴗ˂̵)




      ホタルブクロ (480x640)


     木陰に ほっこり膨らんだホタルブクロの花。



  こんな歌を引くのも、もう時遅し かも知れませんね。


春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
<ハルスギテ ナツキニケラシ シロタエノ
              コロモホスチョウ アマノカグヤマ>
              持統天皇 [『新古今集』夏(一七五)]
春が過ぎて、もう夏がやって来たらしい。夏になると真っ白な
   衣を 天の香具山の山裾に干すということだよ。
)





    葉をいっぱい繁らせた梅の木に下げた

  インパチェンスの白い花が 新鮮に映る 夏日です。

   白インパチェンス (640x604)



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プロフィール

Keiko

Author:Keiko
写真:【 唱歌:「案山子」の立つ見沼氷川公園】

こんにちは! 日本古典文学
研究に従事しているものです。
子育てがほぼ終了という頃に
大学院に入学、現在は 古典
文学講座の講師をしています。

こちらには 自然と文化と歴史
を感じながら‘知るを楽しむ’
日常を記しています。         
     

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